2015年02月27日

スピーチでの原稿の功罪


こんにちは、高津和彦です。
最近は経営のトップのパブリックスピーチへの意識も高くなり、
よく個人指導を依頼されます。
その中で常々感じていて、最近、意を新たにしたことがあります。
今回はその話をしましょう。

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先日の国会、公明党の山口代表が安倍総理に質問する場面。
他の作業をしながら耳だけで聞いていた。
滑舌はっきり、声爽やかで、非常に聞き取りやすい話し方。
しゃべる音声はすべてクリアにはいってくる。

が。
内容が全く頭に入ってこない。
残念ながら、伝わってはいない。
心に残らない。


なぜか。
それはあらかじめすべてが書かれた質問書を滔々と読み上げているから。

あくまでも「読む」であって、「聞かせる」になっていない。
最初は聞かせるつもりで読んでいても、
次第に聞かせるそっちのけで読むことに集中してしまっている。

それに何百人に対して、何十メートルも離れてる人に対して言う時は、
より強い"気"が無けりゃ聞く人の心には届かないんだ。

僕はいつも授業で、パブリックスピーチの"丸ごと原稿"は作るなと言っている。
つまり相手との対話ではなく、原稿との対話になってしまうから。
山口代表のこの例のように。


「じゃ、原稿を丸暗記すればいい」とあなたは言うかもしれない。


そのことについて。
先日の個人レッスンからの実話だ。

ピンポイントの指摘とトレーニングで、
彼は、声の強弱、高低、抑揚もすべて身につけ、話に詰まること皆無。
伝わる話し方でどんなお題でもスピーチができるようになった。本人も自信満々!

さあ、それで、次週に控えた本番の講演のリハーサル。
何百人の前で話す、それを想定して。
とたんに、言い直すわ、長い間が空くわ。
今まではそんなこと全く無かったのに。


僕は見抜いた。
「話す内容、全部、原稿に書き出して覚えてるでしょ?」

覚えてる内容そのままのスピーチになり、頭の中の原稿との対話。
記憶から離れられないんだ。
当然、何かの拍子に記憶が飛ぶ。
次、何を話すかを考えていないから、パッと出てこない。


教訓: 
原稿を書かない。覚えないようにしよう。
瞬間瞬間、頭で考えて心で伝えよう。

ぜひ役立ててください。
posted by パブリックスピーキング・トレーナー高津和彦 at 17:10| パブリックスピーチ

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